2026.03.21

2月のハウス内は、春が進む。シャインマスカットの芽かき

船穂ぶどう園 芽かき 202602
船穂ぶどう園 芽かき 202602


春の陽気を思わせる2月24日。

樹齢約7年の木が広がるハウスで、シャインマスカットの「芽かき」が行われています。


倉敷市船穂町の、新幹線沿いに位置する船穂ぶどう園のハウスのひとつ。

1月14日に加温を始めて25日。待望の発芽を迎えました。

ハウス内は初夏のような熱気に包まれ、気温は29度。動けばじんわりと汗をかくほどの暖かさです。


加温機から伸びるビニール袋の穴からは温風が送り込まれ、絶妙なバランスで温度調整が行われています。


新芽が勢いよく成長するこの時期、最も重要な作業が「芽かき」です。

一つの場所に重なって出た芽の中から「副芽(ふくが)」を取り除き、枝の勢力をそろえていきます。

「何本も出てくる芽の中で、一番良いものだけを残すんです」と、佐々木さんは作業の手を止めずに語ります。


放っておけば大きく成長しすぎてしまう新芽を、指先で転がすように落としていく。これは花が咲く前に理想の大きさを決める、最初のアプローチ。いわば「房づくり」の工程のひとつです。

「蕾が多いと、ぶどうは適当に実をつけてしまう。木に任せるのではなく、人間が成長をコントロールすることが重要です」と佐々木さんは話します。


植物には、枝葉を広げる「栄養成長」と、実を充実させる「生殖成長」があります。そのままだと枝葉ばかりが伸びてしまうため、充実した実を作るには人間の手による制御が欠かせません。

そのためには、生育段階に合わせた綿密な温度管理と、芽を見極める眼が必要です。


「どの芽が良いかは、遠くから見てもすぐわかるよ。それだけずっと見てきているからね」

そう笑う佐々木さんの言葉と指先には、長年の経験と自信がうかがえます。


茎からにじみ出た玉のような水滴は、枝が元気な証拠。

「自分の努力次第で良いモノができる。働きがいが違いますよ」


地道で丁寧な職人の作業。その積み重ねが、光り輝くシャインマスカットの一房へと繋がっていきます。